中学3年生の親からの相談
テストで勉強した問題と同じ形式の問題はなんとか解いてくるのですが、少し形がかわったり、図がかわると、内容はほぼ同じ問題でも我が子は出来ません。
家に帰って、私が図を書き直すとできます。これがこの子の限界かなとも思いますが、もう一息考えてくれればと思わずにはいられません。
結局は、家でやった問題と同じ内容の問題であると子供に気付かせるにはどうしたらいいですか。
子供には図に与えられた条件を書いてみなさい、そうすれば、やったことがある問題に気付くこともあるというのですが、見たことのない問題は全部きれいで書き込みがないのです。
中3の受験生デーモンさんからの相談です。
こういう質問は非常に多いです(≧◇≦)
同じ聞かれ方をすれば解けるけど、ちょっと違った問われ方をすると解けない・・・
がヒントを与えれば解けるのに、自力では解けない・・・
今回は中3のお子さんについてですが、小学生の親の方からもよく同じ質問をされます。
そばで見ていると、
「解けるハズよ!」
「え~、なんで固まってるの?」
とイライラする。わかりますよ、この気持ち!
反対に、期待通りにサクッと解けたときには「お~、すげーやん!」と思わず抱きしめたくなるほど爽快なものです。この気持ちは、まさにストロングも同じです(^_^)
子供のそばで勉強を見ることは、決して楽なことではありません。ましてや、お金を貰って勉強を見るわけでもなく、自分の仕事があるにもかかわらず子供に時間に費やすわけですから。
そんな親にとって、サクッと問題を解くことが一番の「ご褒美」。
でも、なかなか期待通りにはいかないものです・・・
まずは、現状の分析から。そして、対策について考えていきましょう。
「少し形がかわったり、図がかわると解けない」という現状について。厳しい言い方をすれば、「解けろよ!」と期待する方に問題があるということです。
これはストロングも含めての話になりますけど、そばで子供の勉強を見る人は、気をつけなくてはなりません。もっといえば、高校受験においても中学受験においても、この壁をクリアするためにまさにやっているわけです。
いいですか!!
内容的にほぼ同じ問題であっても、少し形を変えた問題はレベルが1つ上の問題です。まずここはそばで勉強を見るものが特に注意して頭に入れておかなければならない問題です。
出題者の気持ちになって考えてみましょう!
「これだとテキストにある問題そのままだから、ちょっと違った聞き方をしてやろう!」
明らかに意図的に問題を難しくしてるのがわかるでしょ!
ストロングは、問題をA・B・Cの3つのレベルに分けて取り扱っています。
Aレベル問題は、すぐに解ける問題です。
Bレベル問題は、ヒントがあれば解ける問題です。
といった感じです。
このレベル分けをするときに気をつけることは、
問題の難易度を基準に分けてはいけない
ということなんです。
テキストに「基本」と書いてあるから「Aレベル」とか、「応用」と書いているから、少し難しいから「Bレベル」なんてしちゃあいけないわけです。
あくまでも子供を基準にすること
つまり、
「すぐに解けたからAレベル問題」
「解説を見て理解したからBレベル問題」
というふうに子供が目の前で見せた事実を元にAかBを決めていきます。
えっ、どちらを基準にしても結果は同じになるだろって!?
確かに、同じことだってあります。
易しい問題であれば、1回目から解ける可能性は高くなりますからね。
ただ、そうじゃない場合が問題なんです。
そう、今回のデーモンさんに起こっているような問題の場合。
「解けるはず」「解けていいはず」の問題なのに、問われ方が違ったら解けなかった。
問題の難易度を基準にすれば、「Aレベル問題」
でも、実際には子供はこういった問われ方の問題は解いたことがなかった。同じ内容の問題と気付かなかった子供からすれば、「こんな問題できない!」となる。
なので、
今の子供を基準にすれば、「Bレベル問題」
となるわけです。
難易度でAと親が考えている問題を子供ができないときに、親は「なんでやーー!?」となる。
デーモンさんのように「この子の限界かも・・」と思ってしまう場合もある。
AとBとアルファベットでは1つ違いですが、問題をAレベルと判定すれば「どうしてA問題ができないのか?」となりますし、Bレベルと判定すれば、「B問題ならしょうがない!」となります。
この違い、わかります!?
全然反応が違ってくるんです。親の反応が。
B問題ならしょうがないとなれば、この子の限界かな?なんて考えませんよね(^_^)
だから、デーモンさんの場合でいけば、やはりB問題として取り扱っていくべきなのです。
そして、対策にトライしていく。この対策というのが、入試演習なわけです。
「基本」が本当にわかっているなら、あらゆる「応用」が効くはずだ!
そうなんです、理想は。
そして、それが実現できている単元もあるでしょう。でも、多くは、それができていないわけです。
だから、みんな苦労している。普通です。
実際は、基本問題は解けるけど、応用ができない。
なんか難しそうに見えるこの問題だけど、
実は以前やった単元の基本問題を使って解くんだよ!
知らなければ、それを1つ1つ知っていく。この作業がこれから続くわけです。
トコトンこれからやっていこうという最中に親の判断で「限界」などといってほしくないのです。
デーモンさんがおっしゃってるように、「図を書き直す」なんてことをすれば、「同じ問題じゃないか!」と気づくきっかけになる。
とはいっても、子供たちは図を書き直すことをやりたがらない。手をつけようともしない。
そんな様子をストロングが見て思うのは、「図を書くことが目的となっている」ということ。
あくまで、「解法の糸口を見つけること」が目的であり、そのために図を書くわけです。子供が図を書きたがらなければ、親が図を書いてやる。子供はそばで図を見ながら「解法の糸口を見つけること」に専念をする。
図を書くことが解法を見つけることに役立つということを実感させるためです。
このステップを抜いて、ただ「こうやってやれば、こうでしょ?」なんて一人で親が演習していないでしょうか?
まずは解法を見つける、そして、次のステップである「図の書き方の工夫」へと進むわけです。
「子供が書いた図」と「親が書いた図」を比べてみて、どちらが良いかを競うのもいいでしょう。
これからもそうですが、詰まったら、必ず親が考えている過程をもっと細分化してみてください。
例えば、
図は親が書くが、解法は自分で見つける
↓
図を子供に書かせてみる
↓
自分で図を書いて、解法を見つけれるようになる
先にAレベルの問題か、Bレベルの問題かに分けるときに気をつけてと書きました。
できるはずのA問題であれば、当然ながら、子供が自分の力で越えていくべきだと考えることになります。
しかし、「いや、この問題はこの子にとっては、B問題だ!」とすることで、上記点線部分に書いたような少なくとも3つの越えるべき壁と課題が見えてくるわけです。
このステップをちゃんと踏んだ上で「限界?」と言っているか?
これ以外にも、問題を見て、「何の単元の問題か?」をまず言えるようにするのもいいでしょう。
「これは最小公倍数の問題」、「これは相似の問題」とか。
単元がわかっても、解けない問題はあるでしょう。
だったら、今度は相似の問題であれば、知っている「相似の条件」を言わせてみる。3つの条件のどれを使って解くかを聞いてみる。
こんな風に問題ができるまでの道筋を細分化して、1つ1つクリアしていってはじめて、同じ内容でも出され方が変わった問題を「あーー、同じ問題だ」と気付けるようになるのです。
単元を習う→定期(復習)テスト→実力(公開)テスト→入試問題
よくできたたもので、矢印に進むに従って、少しずつ難しくなっていきます。
ちゃんと押さえておくべきところを押さえていれば、どんな問題が出ても平気だとというのは話はカンタンですが、そうはいきません。
たくさん習ったことを頭の中で整理しておかないと、引き出そうとしても、出ない。関連付けられないわけですから。
まったく図を描かない、固まっているというのは、例え家でやった問題の類題としても、お子さんにとって、Bレベル問題です。
先に挙げた過程のどこが詰まっているのか?
詰まっている前からやる。
詰まった、いやできるはずだ!と議論していては、前に進みませんが、図を親が書いてやったら、解き方がわかったというのであれば、前進です。
詰まる場所探して、1日に1問でも、また、1問のうちの1ステップでもいいから前進する。
それが積み重ねになったときに大きなものになっていく。
ただ闇雲に頑張っても、それは積み重ねではないですから。
結局はその積み重ねです。
みんな入試演習が始まったら、その難しさに気持ちがなえる。諦める。
最後まで歯を食いしばってやるしかありません。
できなかった・・・・でも、今日できるようになった。
できなかった・・・・この子の限界かな?
あなたは、どっちの道を進もうとしていますか?
この選択は親の意思で自由に選べるのです。ファイト!