こんにちは、ストロング宮迫です。
先日、ある公立中学校の期末テストを見る機会がありました。
昨年もその公立中学校のテストを見ていたのですが、問題量は1.5倍くらいになり、レベルも上がっていました。
まあ、問題を作る先生によって違いが出てくるのかもしれませんが、これは学習指導要領が改訂された影響とみるのがい
いのではないでしょうか。
皆さん、よくご存じのように現在学力低下問題を受けて、「脱ゆとり教育」が掲げられ、小中学校の学習指導要領が改訂されました。
学習指導要領改訂のポイント
改訂といっても全面実施は2012年度からなんですが、オットどっこい中学校の新課程は2009年度から数学・理科については移行措置がとられています。
これによると、移行期間中の各学年の数学の授業時数は
現行の課程 第1学年105 第2学年105 第3学年105
平成21年度 第1学年140 第2学年105 第3学年105
平成22年度 第1学年140 第2学年105 第3学年140
平成23年度 第1学年140 第2学年105 第3学年140
と授業時数がド~んと増加しています。
平成22年度からは新教育課程と同じ時数でやっているわけですね。
親にとってはいっぱい勉強させてくれるので「うれしい措置」ですか?
先行して実施されている「中学校数学」の内容を見ると、
新しい学習指導要領で中1数学で追加になるのは、
平行移動、対称移動、回転移動
球の表面積と体積
投影図
関数関係の意味
ヒストグラムや代表値の必要性と意味
ヒストグラムや代表値による資料の傾向の把握と表現
主にはこうした内容です。
いいですねえ、とはいってもちょっと昔であれば、当然としてやっていた内容だと思いますが。
授業時間が増えて、やる単元が増えてくれば、テスト問題の量が増えるのは当然としても、もう1つ問題のバリエーションも増えます。
テスト作成者としては、テストの難易度をあまり苦労せずに上げることができますので、先生にとってもいいんじゃないでしょうか。
ただ、見ていると、新課程が実施される前の「ゆとり」対応の内容であれば、ついていけていた層の一部がこの新課程の実施でついていけなくなっているのか?と思えるふしもあります。
公立中学校がいっぱい勉強させてくれるのはいいとしても、我が子がそれで落ちこぼれていたのではいけません。
ぜひそうした観点でもお子さんのテストやテキストを見てみてください。
今年春の受験生もこの移行措置が適用される旨が各都道府県の教育委員会のページに出ています。
たとえば兵庫県。
平成23年度兵庫県公立高等学校入学者選抜における学力検査等の数学、理科の出題範囲について
兵庫県公立高等学校入学者選抜における学力検査については、従来から学習指導要領に沿った内容を出題してきましたが、平成23年度入学者選抜においても、この方針のもと、中学校の新学習指導要領の先行実施に伴う数学及び理科の移行措置の内容も出題範囲に含むこととします。
つまり、入試に出ますよ!ということですね。
新しい学習指導要領で中3数学で追加になるのは、
解の公式を用いた二次方程式の解法
相似な図形の面積比と体積比
円周角と中心角の関係
円周角の定理の逆
などがあります。
入試には、非常に大切な部分というか、これらの単元があることで中1と同様、問題の作成者にとっては作れる問題のバ
リエーションが増えるのでうれしいことでしょう。
これだけでも入試問題で10点分はカンタンに作れてしまうくらいの単元ですよね。
ただ受験生はそれだけ大変になるということですからね。
中学生のお子さんがこの学習指導要領移行期間中に現行の教科書に載っていない内容について、文部科学省が必要な資料等を配付しているはずですが知っていますか?
お子さんはもらって帰っているでしょうか?
小冊子みたいになっているものが机のそばに投げられていたら、言ってあげて下さい。
「それ、大事な単元らしいよ!」ってね。
英語なんかでは、中学3年間で単語数が900語から1200語くらいには増えるそうですから、気を引き締めてかからねばなりません。
繰り返しますが、特に成績の中間層の子供たちは、新課程にきちんと乗っかれる子供と乗っかれない子供により一層分かれると思います。
「ゆとり課程」であれば、乗っかれた子供たちのうちで、新課程では乗っかれない子供たちが出るということです。
学習指導要領の改訂で勉強のハードルは期せずして上がったことになります。
親もそのことを知り、把握してお子さんのテストだけでなく、勉強の様子や勉強の内容にも少し気を配ってみてください。
2011年1月9日